2024年10月08日
スマートホームの新規格Matterは世界をかえられるか?
「スマートホームの新規格Matterは世界をかえられるか?」というテーマのウェビナーを開催されます。
2021年5月に発表されたスマートホーム規格であるMatterは、急速に世界中で普及しており、Google、Apple、Facebook、AmazonをはじめとするGAFAがこの規格に参画していることからも、スマートホームの世界標準規格として確立されつつあり、この規格を採用することで、ユーザーはデバイスのセットアップや運用が容易になり、スマートホームの導入がよりスムーズで直感的に行えるようになります。
現在は海外を中心に利用が広がっており、今後日本でもMatterが急速に普及することが想定され、企業による対応製品の開発や市場動向の調査が加速しているとはいえ、自社製品をMatter規格に対応させるには、単なるプロトコルの実装に留まらず、いくつかの技術的課題を克服する必要があり、その普及の道のりは、決して平坦なものではありません。
Matterの最大の利点は、異なるブランドやプラットフォームのデバイス間で相互運用性を向上させる点にあり、これを実現するためには、スマートホーム規格の標準化団体であるCSA(Connectivity Standards Alliance)ガイドライン準拠の実装方法と動作要件を理解し、既存システムとの適合性を保ちながら正確に統合することが重要で、通信設計においては、Bluetooth、Wi-Fi、Threadといった近距離無線通信プロトコルを活用し、デバイス間の相互運用性を安全、かつ確実に確保することが求められ、さらにMatter非対応のデバイスをブリッジする場合、互換性を維持しつつ、通信遅延を最小限に抑えるプロトコル変換の実装が求められ、加えて、統一されたUIの設計やセキュアなファームウェア更新プロセス、場合によってはアプリケーションロジックの変更なども考慮する必要があります。
このためには、CSAガイドラインに関する知識に加え、ネットワークプロトコルの理解、セキュリティ設計、組み込みシステム開発、暗号技術、相互運用性テストなど、多岐にわたる専門知識が求められ、日本市場には、基本的により細かな制御を求める風土があり、Matterの機能強化も課題となっており、ECHONET LITEとのブリッジングとセキュリティ性の向上という二つの大きな挑戦が求められています。